「就農で地域を盛り上げる」農業支援スタッフ山本良介さん【南房総市地域おこし協力隊インタビュー】

南房総では果物の栽培も盛んで、温暖な気候を好むビワやイチゴなどが生産されています。農家も多くありますが、高齢化による離農や後継者不足も深刻な問題です。
そこで、南房総市で募集されたのが、就農を目的とした農業支援スタッフとしての地域おこし協力隊です。
今回は、2021年8月に着任し、ビワの栽培などの研修を受ける山本良介さんにお話をうかがいました。

農家になる夢をかなえたい

現在38歳の山本さんは、子どもの頃から漠然と「将来は農家になりたい」という夢を持っていたそうです。高校や大学も農業系に進み、農薬メーカーなど農業に関わる仕事を続けてきましたが、就農には至らず、自分の年齢を考えて「そろそろ農家になる夢をかなえよう」と一念発起。
サポートを受けながら就農できる自治体を探している中、目にとまったのが南房総市の地域おこし協力隊募集でした。
「自分の出身が千葉県流山市だったので、南房総にはなじみがありました。また、他地域と比べてサポート面で南房総が一番条件が良かったのが決め手でしたね」。

育てる楽しみがある果樹

「もともと果樹の農家になりたいとは思っていました。野菜と違って、果樹は苗から育てて実がなるまでに複数年かかります。今やったことが来年再来年に結果となって返ってくるような育てる楽しみがあるところがいいですね。ビワは皇室へ献上するほど南房総の特産品なので、ビワの栽培に関わることで地域活性化につながればと考えています」。
「あと、ビワは他の果樹と違うところがたくさんあって、面白いですね。寒さや風をよけるために山の中の奥まったところで栽培しているので、行くのが大変だったり、大きい木になると木に登って手入れをしなければならなかったり、お世話が大変なところにやりがいを感じます。まだ収穫は体験していませんが、収穫作業も楽しみにしています」。

南房総には人を受け入れるベースがある

現在は、富浦エリアに住みながら、道の駅おおつの里 花倶楽部でビワや花などの管理を手伝いながら研修を受けている山本さん。南房総の印象を聞きました。
「お世話になっているみなさんには、とても良くしてもらっています。観光地ということもあって、南房総には人を受け入れるベースがもともとあるんじゃないかなと思いますね。農業はいろいろな状況があり、教科書通りに行かない面が多いので、常に勉強させてもらっています」。
「今は、富浦の南無谷に住んでいるのですが、この地域はビワ農家も多く、獣害対策にも積極的で、僕もお手伝いをさせてもらっています。また、釣りが趣味なので、富浦漁港などすぐに釣りに行けるのも嬉しいです。実は今朝も行って来たんです(笑)」

まとめ

最後に、今後の目標について聞いてみました。
「現在は、ビワの栽培研修に加え、花の栽培を勉強したり、熱帯果樹(フェイジョアやアボカド、ポポーなど)を実験的に育ててみたりしています。まだ着任して4カ月ほどなので、まだまだ積極的に動けていませんが、南房総エリアの魅力的な人に会ってお話もしてみたいなと思っています。最終的にはビワ山を借りて就農したいですが、まずは自分のことをいろいろな人に知ってもらうことから始めたいと思います。」

フジイ ミツコ

山口県出身。 フォトライター。 南房総の海辺に夫婦で移住し10年ほど。 ふたりの子どもに恵まれ、その子どもたちがつなげて広げてくれるご縁を大切に、彩り豊かな南房総ライフを楽しんでいます。 南房総の素晴らしいロケーションを活かしたフォトグラファーとしても活動中。

おすすめ