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まるで野外美術館?! 『ちくらアートな海の散歩道』を自分の歩幅で楽しもう

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全長550mの防波堤をキャンバスにしたアートな壁画「ちくらアートな海の散歩道」。屋外にあって、いつでも誰でも見られるこの壁画アートは、お散歩、ランニング、自転車ツーリング、ドライブ…と、四季を通していろいろなスピード感で楽しむことができますよ!

こんな場所で? あり得ない芸術作品に出会える散歩道

千倉駅から県道251号を白浜方面に向かって車を走らせると、突然、大きな絵が視界に飛び込んできます。
全長約1.4kmにおよぶ防波堤に、美術館に飾られているようなクオリティの高い作品群が描かれています。この作品群は、海岸道路護岸の劣化した壁画を再整備し、魅力的なスポットを作る「ちくら海の壁画再生美プロジェクト」の一環として制作されました。

壁画制作は、南房総市在住の画家、『マオ猫』で有名な山口マオさんが中心となり、南房総市や近隣在住のアーティストに呼びかけて行われました。また、地元の子ども達向けにアーティストとコラボしたワークショップが開かれ、子どもたちが楽しい雰囲気の中で描いたかわいい作品も壁画になっています。

壁画プロジェクトのプロデューサーを務めたマオさんに「この壁画をどんな思いで描いているのか」を直接お聞きしました。

マオさんからの回答は、
「『えっ!? こんなところに壁画がいっぱい!!』と、驚いてもらえるような見応えのある壁画ロードにしたいと思いました。結果として地域活性化になればいいと思います。
よく『原動力は、郷土愛ですか?』と聞かれますが、郷土に対する思い入れはあっても、アーティストが制作する原動力は自己愛にも近い制作欲です」
…と、穏和な表情で、語ってくれたのが印象的でした。

プロのアーティスト達の本気の作品群。たくさんの方が訪れ、長く愛されるよう願わずにはいられません。
「ちくらアートな海の散歩道」は、千田漁港から平磯漁港までの堤防に、48点の作品が並んでいます。※ガイドマップ参照
なかでも見応えがあるのは千倉町出身のレジェンド達、1910年代のハリウッドスター早川雪洲(はやかわせっしゅう)の肖像やイラストレーター安西水丸(あんざいみずまる)の作品。アーティスト達がリスペクトを込め、力を合わせて描きました。ぜひとも足を止め、堪能してくださいね!

ハリウッドスター早川雪洲 肖像画 塙雅夫作

イラストレーター安西水丸「十五歳のボート」


分かりやすいガイドマップで、とことん巡ろう!

「ちくらアートな海の散歩道」の作品を楽しむのに役立つガイドマップが用意されています。道の駅ちくら潮風王国にはもちろん、市内外の道の駅、観光案内所、近隣の飲食店に置かれています。このガイドマップには、1~48までの作品タイトルと作者名が書かれているので、お気に入りのアーティストの作品を見逃す心配はありません。

◆さらに散歩道が新たなエリアを拡大中!

ガイドマップ(裏面の地図)

(現時点での構想では)2022年の3月末までに、道の駅潮風王国より東側に『くじらエリア』、西側に『大川エリア』と2つのエリアが追加されます。
※ガイドマップでは西側の『房州弁エリア』となっていますが、『大川エリア』と変更となりました。

壁画はまだ完成しておらず、これから制作に取りかかる場所もあります。プロデューサーの山口さんは「制作には期限があるので、土壇場でどんな展開が待ち受けているのか分からないけど、とにかく頑張ります!」と、目をキラキラさせていました。
アーティストさんが描いているところに出会えるチャンスが、まだまだあるということです! 制作中のアーティストに会えたら良いチャンス。もし会えたら、応援してあげてくださいね。


新たな『くじらエリア』に巨大な親子鯨を描いた坂本一樹さんにインタビュー

新たなエリアのひとつは『くじらエリア』と名付けられました。由来はそのエリアに、昔、鯨が流れ着いたことがあり「くじら場」と呼ばれていたこと。
このエリアには、誰もが目をとめてしまう親子鯨の絵があります。迫力のなかに、どこか優しさ溢れる作品です。このシロナガスクジラの親子を描いたのは、写実画も抽象画も得意とする南房総市在住の日本画家坂本一樹(さかもといっき)さん。坂本さんは山口マオさんからの「図鑑に出てくるような鯨を描いてください」という依頼を快く受けたそうです。坂本さんにはもともと多くの動物を描いてきた経験があります。

坂本さんにインタビューし、制作中のお話をうかがいました。

ーーー 壁画タイトル『蒼鯨遊泳之図(あおくじらゆうえいのず)』の由来は?

「シロナガスクジラは英名でBlue whaleっていうんです。blue whaleってかっこいいよね。そこから青い鯨=蒼い鯨というタイトル名にしました」

ーーー 絵を描くのに一番苦労したところはどこですか?

「指定された防波堤の壁だと鯨を描くには低すぎ、その低い壁の中で鯨の大きさを表現するのに苦労しました。壁の長さのわりに高さが低くて1頭だけをいっぱいに描くと、背中と腹をカットせざるを得なくなってしまうので、もう一頭の小さい個体を描くことでその点をカバーしました」
※シロナガスクジラは、世界で最大の鯨で本物だと体長約26m。実寸で描く壁のスペースがないため縮尺を少し変え、体長約15mで描かれています。

ーーー 一番見て欲しいところはどこですか?

「平面である防波堤の壁に鯨を立体的に描くことで、飛び出してくるような生き生きとした感じ、生命感や躍動感を表現しました。それを感じてほしいです」

ーーー 制作時、地元の方とのエピソードがあれば教えてください。

「通りがかりのおじいちゃんやおばあちゃんに、絵の内容がストレートに分かって喜んでもらえていることが嬉しいね。アトリエにこもって絵を描いているより、外で描いていると生の人の声が聞けるのもいいね~」

インタビュー後、二頭の親子鯨の前で記念撮影している家族に出会いました。たくさんの人々がおとずれ、このアートな散歩道が千倉町の名物スポットになってくれるといいなと思います。

まとめ
穏やかな日差しの中気持ちのいい散歩をしながら、海をバックにアート作品が見られるのは最高。
ちょっと海の方に目をやれば、岩で黒鵜が羽を休めていたり、蟹が壁画を横切っていたり。その様は、なんともアート。自然と共存しているアートに癒されます。
『ちくらアートな海の散歩道』をゆっくり自分の歩幅で、楽しんでくださいね。

車でお越しの方は、「道の駅ちくら潮風王国」の駐車場をご利用ください。



道の駅 ちくら潮風王国

営業時間:午前9時~午後17時
休業日:毎週水曜 ※1月~3月・8月は休まず営業。

〒295-0025 千葉県南房総市千倉町千田1051

 

問い合わせ先:千倉地域づくり協議会『きずな』豊山海 0470-44-1113
https://shiokaze-oukoku.jp/

 この記事を書いたのは…

shouji naomi
香川県出身。
只今子育ても半ばにさしかかり、40代からやりたいことを仕事にしたいと一念発起。
プロカメラマンに師事しながら、駆け出しカメラマンとして千葉県南房総市を拠点に“カメラで地域おこし”をテーマに仕事している。人との出会いを大切にし、人との輪をつなげるお仕事ができたらいいなぁと思っています。
ライターとしても、“地域おこし”ができるのではないかと猛勉強中。

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