あなたは知っていましたか?南房総にクジラに会える場所があることを。
なかなか陸では見ることができないクジラですが、和田町なら出会えるのです!
ボリューミーな内容になるので、〈前編〉で【見る・学ぶ・体験する】、〈後編〉で【食べる】と2編に分けて、4つの観点からクジラの町を紹介します。
【見る】クジラのモニュメントを探してみよう!
和田町には、いたるところにクジラのモニュメントがあります。
みなさん、港町をゆったり散策しながらクジラさんを見つけてみてくださいね。
一つは、白渚(しらすか)海岸サーフ橋近くの2頭のクジラ。
この白渚海岸は房総サーフィンのメッカで、ここによく訪れるサーファーのみなさんにはお馴染みのクジラさんでしょう。まるで丘の上からサーファーの安全を見守っているかのようです。
二つ目は、『花の広場公園花夢花夢』にある、金ピカのクジラの巨大な尾っぽのモニュメント。
尾っぽだけというシンプルなこの作品の名は、『潮』といいます。
花づくりの町でも有名な和田町は、伝統産業である「花と鯨」を大切にしているようです。いつ行っても誰かが花壇のお手入れをしていました。広場前に大きな駐車場とトイレがあるので、季節の花々を見ながらトイレ休憩にも良い場所ですよ。
三つ目は、『道の駅和田浦WA・O!』の隣にある巨大シロナガスクジラの骨格標本(レプリカ)。
実際にノルウェー北部で捕獲されたシロナガスクジラの原骨格をもとに作られた、わずか3体しかない貴重な骨格標本なのだそうです。
地球上最大生物とされるシロナガスクジラの全長はなんと26メートル!海ではこんな大きな生物が泳いでいるのですね。横に立って自分と大きさ比べをするのもいいですね。
最後に紹介するのは、ちょっとレアなクジラ壁画のあるトイレ。
和田漁港の屋外にある誰でも使えるトイレの外壁には和田町のシンボル、ツチクジラが描かれています。
トイレの外壁に鯨の絵があるところは、他にはあまりないでしょう。
【学ぶ】『鯨資料館』でクジラ博士になろう!
『道の駅和田浦WA・O!』に隣接する和田地域センター内の1階には『鯨資料館』があります。入場無料で、気軽に入れます。
館内には、日本をはじめ世界各国の鯨に関するアイテム(捕鯨道具・玩具・工芸品)が約1,000点も展示されています。パネルや資料によって、安房地域での捕鯨文化の変遷などを、詳しく知ることができますよ。
世界の人々が鯨を獲るきっかけになった鯨油製品の展示は、特に貴重なものらしく、テレビでも取り上げられたようです。コレはぜひ見ていってください!
この展示物は、日本一の鯨コレクターである細田徹(ほそだとおる)さんが、コレクションの一部を和田町に寄託したものだそうです。
細田さんによると「本当というと一番見て欲しいものは、2Fの勇魚(いさな)文庫に保管してある鯨の本や資料」なのだそうです。
ただ現在のところ、残念ながら2Fの勇魚文庫は公開されていません。この膨大な資料本をデータ化し整理しているところで、いずれ資料を公開予定しているとのこと。詳しく鯨を知りたい方は待ち遠しいですね。
「来館者に日本の捕鯨文化をどう感じて欲しいですか?」と、細田さんにお聞きすると「人によって捕鯨に反対や賛成があると思いますが、少しでもクジラに興味を持ってもらえたらうれしいですね」と語ってくれました。
『道の駅和田浦WA・O!』に来た際は、ぜひ隣の『鯨資料館』にもお立ち寄りください。小さなお子さんでも楽しめるような分かりやすい展示内容になっていますよ。
【体験する】鯨の解体現場を生で体験!
注意! くじらの解体シーンの写真が含まれます。ご注意ください。
日本には、網走(北海道)・鮎川(宮城県)・太地(和歌山県)と和田町(千葉県)の4基の捕鯨基地があります。なかでも和田漁港は、鯨の解体が生で見られる貴重な漁港なのです。
鯨が揚がると、町の人たちはこぞって漁港へ鯨肉を買いに駆け、地元の小学生たちは鯨の解体を見られる課外授業があり、町全体に捕鯨文化が根づいてます。
自分たちの町の捕鯨文化を肌で感じられ、学びの場があるっていいですよね。
では一般人が鯨の解体を見たい場合は、どうしたらよいのでしょうか?
鯨漁を行っている外房捕鯨株式会社の庄司義則(よしのり)さんにお聞きしました。
ー鯨の解体が見られる時期は?
だいたい6月末から8月まで房総沖で漁を行っていて、その間で鯨が獲れれば見ることができます。
ーおおよそ何時から解体が行われますか?
いつ獲れるか、何頭取れるかその日になってみないと分からないので、解体時間は流動的です。
(※解体の所要時間は1時間半から2時間程度。基本的には、昼間に漁をして戻ってきてからになるので、翌日の朝早い時間に解体することが多いようです。)
ーどんな種類のくじらが獲れますか?
房総沖ではツチクジラが獲れます。日本政府監督の下、年間26頭までと頭数制限が決まっていて制限の範囲内で獲っています。
ー観覧は無料ですか?
無料です。ただ解体現場ではウィンチやフォークリフトが動いていて危険なため場内には入れませんが、解体現場の対岸からなら見ることができますよ。
ー鯨肉は買えますか?
解体後、購入できますよ。1キロ2500円(税込)です。(2023年7月時点)
ー鯨の解体現場を見られる情報は、どうやって知ればいいですか?
当社のオフィシャルブログに捕鯨に関する近況報告を随時掲載しますので、そこで知ることができます。
※見学は自由ですが、鯨の解体現場はお仕事の場です。マナーを守って、お仕事の迷惑にならないよう気をつけましょう。
まとめ
この夏、クジラが到来する和田町へ行ってみませんか?
独自の捕鯨文化が色濃く残り、クジラに親しめる町はなかなかありません。
見て学んで、子どもたちの自由研究の題材にするのもよいでしょう。運が良ければ鯨の解体を見ることもできます。
ぜひ町全体でクジラを楽しめる和田町へいらしてください。
〈関係先〉
■鯨資料館 / 勇魚文庫
『道の駅和田浦WA・O!』に隣接する『和田地域センター』内
住所:千葉県南房総市和田町仁我浦206番地
営業日時:月〜日曜日 9時〜17時
入場無料
■花の広場公園花夢花夢
住所:千葉県南房総市和田町柴254番地1
24時間営業
■和田漁港のトイレ
住所:千葉県南房総市和田町和田550−9
◾️外房捕鯨株式会社
住所:千葉県南房総市和田町仁我浦958
電話: 0470-47-3211
ホームページ:http://gaibouhogei.blog107.fc2.com/
■外房捕鯨解体作業場所
住所:千葉県南房総市和田町和田662−12
〈関係サイト〉
●クジラを学んで楽しめる「道の駅和田浦WA・O!」
この記事を書いたのは…
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香川県出身。
只今子育ても半ばにさしかかり、40代からやりたいことを仕事にしたいと一念発起。
プロカメラマンに師事しながら、駆け出しカメラマンとして千葉県南房総市を拠点に“カメラで地域おこし”をテーマに仕事している。人との出会いを大切にし、人との輪をつなげるお仕事ができたらいいなぁと思っています。
ライターとしても、“地域おこし”ができるのではないかと猛勉強中。
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