病気になった子育てママが南房総市にいてよかったと思う3つの理由

2020年1月、日本国内で初めて新型コロナ感染者が確認されました。ちょうどその頃、私は乳がんと宣告されました。手術、抗がん剤治療を経て、今も服薬治療を続けています。子育て中の親が病気になると、困るのが子どものこと。この記事では、私が「南房総市にいてよかった!」と思う治療中の子育て支援についてお伝えします。

 

1.幼稚園の預かり保育室に入れてもらえたこと

園児のお散歩風景

手術のため、3月に2週間ほど入院する必要があると言われた私。なにより心配だったのは子どものことでした。当時、息子は幼稚園の年長さん。母親と何日も離れたことはなく、1人で留守番もできません。

夫も何日も仕事を休めない。新型コロナが怖くて遠方の親兄弟にも来てもらえない。新型コロナが落ち着くまで手術を延期してもらおうと思いましたが、医師からは早く手術する必要があると言われ、焦りと不安で泣きたくなりました。

南房総市の市立幼稚園には延長保育を行う預かり保育室が設置され、保育の必要性の認定を受けた家庭が利用できます。認定を受けていない家庭も月8回までは預かり保育室を利用できます。(1日450円)

そこで、「入院中、8日間プラス何日か延長して利用させてもらえないだろうか…」と、ワラにすがる思いで南房総市教育委員会こども教育課へ問い合わせました。

預かり保育室の担当者に事情を話したところ、「診断書を提出すれば、保育の必要性の認定を受けられる」とのこと。つまり、卒園まで預かり保育室を利用できると伝えられました。「これで入院できる…!」と心底安心したのを覚えています。

その後、新型コロナの影響で幼稚園が休園となりましたが、預かり保育室は開室を続けてくれました。もしも息子の預け先がなかったら予定通りに手術ができなかったかもしれません。預かり保育室に入室できて、本当にありがたかったです。

 

2.こども教育課の心に寄り添う対応に感動したこと

預かり保育室を利用できるだけでも嬉しかったのですが、南房総市教育委員会こども教育課の担当の方が丁寧に話を聞いて、不安な気持ちに寄り添ってくれたのがとても印象的でした。

当時の私は「入院中だけでも息子を預かってもらえればありがたい」と思っていました。でも、担当の方は「退院後も療養が必要でしょうから、預かり保育室を利用してしっかり休んでください」と言葉をかけてくれたのです。その言葉を聞いて、思わず涙が出ました。実際、退院後しばらくは息子の相手をするのが大変だったので、預かり保育室にはたくさんお世話になりました。

預かり保育室の利用を申請してからの手続きも非常にスピーディーで助かりました。最大の悩みであった子どものことで支援を得られ、精神的に安定して治療に臨むことができました。温かい言葉と迅速な対応には、今でも感謝の気持ちでいっぱいです。

 

3.学童保育所の利用も認めてもらえたこと

ランドセルと入学式のスーツ

私が退院してまもなく、息子は幼稚園を卒園して小学生になりました。預かり保育室の利用は卒園の年度末まででしたが、新たに始まる抗がん剤治療に備えて、小学校の学童保育所の利用も認めてもらえました。

副作用がひどい日などに数日利用し、現在は休止扱いですが在籍させていただいています。体調が悪化した場合など、子どもをお願いできる場所があるということは闘病生活の大きな心の支えになっています。

 

まとめ

今回、大病を患ったことで幼稚園の預かり保育室を利用できることになりましたが、預かり保育室には病気療養の優先枠があるわけではありません。他の市町村と同じく、就労、妊娠・出産、疾病・障害、介護・看護、災害復旧、求職活動、虐待・DV等の理由で、保育の必要性を認められた家庭が預かり保育室を利用できます。

南房総市教育委員会こども教育課の担当者によると、市立幼稚園の預かり保育室は余裕のあるところが多く、年度途中での受け入れも可能とのことです。(2021年10月現在)一方、市内の保育所や学童保育所は定員に達しているところが多く、年度途中での受け入れは難しいようです。

小さな子どもがいる家庭にとって、保育所への入所が厳しい場合でも、幼稚園の預かり保育室という選択肢が残っているのは心強いですね。子育て支援を受けながら治療を続けることができて、私は南房総市にいて良かった!と心から思っています。

あきのこ

千葉県浦安市出身。 15年ほど東京で会社員生活をし、妊娠・出産を機に退職。転勤族の夫に帯同し、2018年から南房総市で暮らしています。 場所を選ばずに転勤先でも旅行先でもできる仕事を!と、ウェブライターデビューしました。主に旅行、不動産、IT系のサイトで記事を書いています。 旅行が大好きだけど、子連れでは頻繁に旅に出られないのが最近の悩み。南房総で旅行気分を味わうため、道の駅やお土産屋さんをウロウロするのが好きです。

おすすめ