のびのび環境が子どもの成長を支える~南房総市の保幼小中一貫教育

南房総市の教育環境にどんなイメージをお持ちですか?「自然豊かな環境でのびのび学べる」…私もそう思います。でも、それだけでしょうか?この記事では、南房総市が推進する「0~15歳・保幼小中一貫教育」について考察しながらご紹介します。

 

南房総市を出る子どもたちの支えとなる教育を

「0~15歳・保幼小中一貫教育」とは、南房総市が推進している「保育所・幼稚園・小学校・中学校が連携し、幼少期から連続して受けられる一貫教育」のことです。南房総市は、具体的な実践として以下の4つを掲げています。(※1)

 

1.学力の向上

「南房総に残っても、離れても、どこへ行っても通用する学力」の定着

 

2.南房総学の推進

「南房総に残っても、離れても、どこへ行っても支えとなる、故郷への誇りと強い思い」の涵養(かんよう)

 

3.非認知能力の育成

「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」の中学校卒業までの切れ目ない育成

 

4.ハイテクとハイタッチ、デジタルとアナログを並立させた保育・教育の展開

「ICTと自然体験、直接体験の良さを活かした教育活動」の展開

「外遊び、運動の機会」の拡大

 

(引用元:南房総市の15年教育 2021

 

「南房総に残っても、離れても」という言葉に目を引かれます。南房総市には大学がなく、就職先も少ないため、進学や就職の際にいったん南房総市から離れる子どもが多いと考えられます。

だからこそ、子どもが南房総市を出たときのために「どこへ行っても通用する学力・支えとなる故郷への誇り」を育もうとしているのですね。南房総市が子どもの将来を見据え、成長を長いスパンで捉えており、適切な教育環境を整えようとしていることが感じとれます。

 

「南房総学の推進」とはなんぞや?

びわ狩り

「富浦のびわ狩り」 ©︎南房総フォトバンク

南房総市の保幼小中一貫教育の2番目の具体的実践に「どこへ行っても支えとなる、故郷への誇りと強い思いの涵養」と掲げてあります。

涵養(かんよう)とは、無理せずゆっくりと養い育てること。知識を詰め込むのではなく、自然と関わったり、地元の人と交流したり、地域で活動したりと、さまざまな経験から南房総への思いを年月をかけて育てようということ。これが「南房総学の推進」なだと思います。

 

私の息子は富浦小学校の2年生ですが、6年生が育てて収穫したびわをもらって帰宅したことがありました。富浦地区は房州びわの産地で有名です。上級生が育てたびわをもらうという経験から、息子は富浦の特産品について学ぶことができました。

また、南房総市は日本一おいしい給食を目指しています。米とだしにこだわった和食が中心で、地元の食材を多く取り入れています。献立表を見ると、気づくのが海の幸の多さ。「今日の給食は何だった?」という話から「富浦の海で採れる魚はなんだろう?」という話になり、魚の種類を調べたことがあります。

息子が経験したことを改めて振り返り、「これが南房総学か!」とハッとしました。南房総市で得た経験が好奇心へとつながっていく様子を見て、南房総学には学習意欲を育む効果もあると感じました。

 

ハッキリと掲げている「非認知能力の育成」の実践

大房岬自然公園

「大房岬自然公園」 ©︎南房総フォトバンク

昨今、児童教育の場面などでよく聞くようになった「非認知能力」という言葉。学力テストや偏差値のように数値でわかる能力が「認知能力」、協調性、集中力や粘り強さなど、数字にできない「人生を豊かにするための能力」が「非認知能力」です。

南房総市では、具体的実践で以下の項目を挙げています。

 

3.非認知能力の育成

「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」の中学校卒業までの切れ目ない育成

健康な心と体、自立心、協同性、道徳性・規範意識の芽生え、社会生活との関わり、思考力の芽生え、自然との関わり・生命尊重、数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚、言葉による伝えあい、豊かな感性と表現

(引用元:南房総市の15年教育 2021

 

「非認知能力」を高めること「認知能力」に影響を与えるという研究が多く、学歴や雇用形態、賃金など、経済的な成果に影響を及ぼすことが知られています。(※2)

ざっくりと解釈すると、南房総市では「非認知能力の育成」により、補完的に学力向上へと結びつける。そして、どこへ行っても通用する子どもを育てるのが目標なのだと読み取れます。

 

難しく聞こえますが、非認知能力は遊びや課外活動などでも育まれます。南房総市には自然に学べる豊かな環境があります。のびのび遊べる海や山だけではありません。産地直売所に売っている新鮮な葉っぱのついた野菜や、一尾まるごと売っている魚も、子どもにとっては好奇心をそそる生きた教材になります。散歩道で出会うヘビも、「どうやったらヘビに遭わないですむか」とリスク回避について考える教材になります。

子どもがおもしろいと思う素材、自分で考えるきっかけになる素材があちこちにある南房総市は、非認知能力を育む環境としても優れていると思います。加えて、先生方も幼児期から中学生まで連携して非認知能力の育成に取り組んでくれるので、とても魅力的な教育環境が整っていると言えます。

 

まとめ

現在小学2年生の息子は、幼稚園から南房総市にいることで良い影響を受けています。特に成長を感じるのは自制心や協調性など。子育て中だけでも暮らす価値があると思うほど、豊かな教育環境が南房総市にはあります。

子どもは自然ゆたかな町で育てつつ、親は都心へ通勤という暮らしも可能な南房総市。教育面から移住を検討しているご家庭にもおすすめの地域です。私個人としても、南房総市の保幼小中一貫教育がさらに発展、充実していくことを期待しています。

 

【参考資料】

※1 南房総市の15年教育 2021(南房総市教育委員会子ども教育課)

https://www.city.minamiboso.chiba.jp/cmsfiles/contents/0000014/14382/2021.pdf

※2 幼少期の家庭環境、非認知能力が学歴、雇用形態、賃金に与える影響(独立行政法人経済産業研究所)

https://www.rieti.go.jp/jp/publications/dp/14j019.pdf

あきのこ

あきのこ

千葉県浦安市出身。 15年ほど東京で会社員生活をし、妊娠・出産を機に退職。転勤族の夫に帯同し、2018年から南房総市で暮らしています。 場所を選ばずに転勤先でも旅行先でもできる仕事を!と、ウェブライターデビューしました。主に旅行、不動産、IT系のサイトで記事を書いています。 旅行が大好きだけど、子連れでは頻繁に旅に出られないのが最近の悩み。南房総で旅行気分を味わうため、道の駅やお土産屋さんをウロウロするのが好きです。

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