イタリア北部の小さな村では、「MANDI(マンディ)!」とあいさつをするそうです。おはよう、こんにちは、さようなら、これらの意味全てを含むMANDI。この小さな村だけの方言なのだとか。そんなあいさつの言葉を店名にしたお店、「Café&Garden MANDI」を紹介します。
オーナーがこつこつと改修した手作り空間
2021年にオープンしたMANDIは、JR館山駅東口から歩いて3分ほどの街中にあります。館山銀座通り沿いに駐車場があり、その奥に緑色の壁に赤い扉のMANDIが。緑と赤でポップなカフェかと思いきや、なかはウッディテイストで落ち着いた雰囲気です。
オーナーの渡辺昭一郎さんは、18歳まで館山で暮らしていました。実家の土地にあったこの家を一年かけて改修し、カフェスペースを造り上げたのです。現在の入口は、もともと窓があった場所。トイレのドアは、同級生の家からもらってきたものを再利用しました。入口から天井を見上げると、巨大なクワガタムシが。放送業界で働いていた渡辺さんが、小道具として番組で使われたものをもらい受け、ここに活用させたそうです。
キッチンの天井は、館山で開催された「リノベーションスクール」の参加者たちが手伝いに来てくれたそうです。リノベーションスクールは、スクールマスターの青木純さんや講師とともに、不動産の有効活用やまちづくりに関わる人材の育成などを目的に開かれた「館山リノベーションまちづくり」で、そのノウハウを学ぶ場でした。
館山駅東口を活性化させる当事者に
都内で働きながら東京と館山の二拠点生活を続けていた渡辺さんは、退職の数年前にリノベーションスクールの存在を知り、参加することに。そこで青木さんが言った言葉は、「当事者にまずなること」。館山駅の東口を活性化させようとしている人たちがいるなか、その東口に土地を持っていた渡辺さんは、「土地があるからすでに当事者かな」と思い、行動に移します。
飲み食いが好きだったこともあり、カフェのオープンを目指すことを決め、カフェ開業セミナーを受講。コーヒープロフェッショナルの資格も取得しました。にぎやかだった銀座通りに少しでもにぎやかさを取り戻せるように、カフェMANDIをオープンすることにしたのです。
小さな公園に建つMANDIのドリンクとフード
店名のCafé&Gardenのガーデンは、庭という意味ではありません。「公園」というと「Park」が浮かぶかもしれませんが、Parkは大きな公園を指し、小さな公園はGardenを使うそうです。
MANDIは、小さな公園の敷地内に建つカフェなのです。「何もないとこに人は集まらない」と言う渡辺さんは、公園にカフェを造り、カフェに本を置いて、自由に読みながら寛いでもらう場を作ったのでした。
ドリンクはコーヒーが400円から飲めて、バターコーヒーやマロングラッセ、チーズケーキラテ、アフォガードなど種類も豊富。コーヒーが苦手な人には、ゴディバのココア、和紅茶、梅ソーダ、レモネード、各種果汁100%ジュースなどもあります。
冷たいものだといちご生シェイクやフローズンパッションフルーツ、抹茶フラッペなど。お酒が飲める人はグラスワインが300円、アイリッシュコーヒーやモヒートなど、アルコール類も充実しています。
食べ物は、ライスとカレーの基本セットが400円からとお手頃価格。スティックマフィンは150円、まるでプリンのようなフレンチトーストは500円、その他に季節限定の食事もあります。
趣味が高じてワイン会も
渡辺さんは、30代のころ仕事でニューヨークに住んでいたそうです。そのときにワイナリーで飲んだワインがおいしくて、ワインを集め始めました。今では販売していないものや、販売価格が何倍にもなっているものもあるそうです。
販売してしまうと自分が飲めないので、参加者にも喜んでもらえて購入費用を回収できるワイン会を、東京在住時から開いていました。
「ワインリストから選ぶのではなく、ストーリーや流れをつくって提供したい」と話す渡辺さんは、ソムリエの資格も有しています。現在はコロナ禍でMANDIでのワイン会を中止していますが、もう少し落ち着いたらまた復活させるそうです。
まとめ
駅近で朝8時から営業しているので、電車やバスの待ち時間や買い物の隙間時間に立ち寄ってみてはいかがでしょう? おいしい飲み物と、店内にある本との出会いを楽しめます。店の向かいには「風の図書室」もあるので、本好きな方はぜひお立ち寄りください。
Café&Garden MANDI
住所:千葉県館山市北条1808-4
営業日時:水・木・金 8:00~17:00
土 10:00~17:00
定休日:日・月・火
Webページ:https://www.mandi-tateyama.com/
facebook:https://www.facebook.com/profile.php?id=100066812933581
この記事を書いたのは…
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熊本生まれ、兵庫育ち。
国内・外を放浪したあと、2011年1月南房総に漂着。
築百年余りの古民家を改修しながら、犬、猫、ヤギとの生活を満喫中。
田んぼや畑だけでなく、イベント出店やライター業など、“暮らしから生まれる百の仕事をこなす”立派な百姓を目指して活動中。
◆安房暮らしの日常ブログ
https://awaawalife.com/
◆インスタグラム
https://www.instagram.com/awaawa_life/?hl=ja
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