お産のカタチを大切にしてくれる『助産院ねむねむ』②【地域を包む大きなお母さん、助産師根岸雄子さん】

助産師根岸雄子さん

助産師の根岸雄子(ねぎしゆうこ)さんが、旧三芳村に『助産院ねむねむ』をかまえて約14年。”自宅で産んでも良し。助産院で産んでも良し。”と十人十色のお産のカタチを大切にしてくれます。第二弾では、お産をとおして伝えたいコトを根岸さんに伺いました。

〇助産院をかまえて、変わらない想いとは何でしょうか?
根幹はかわっていないわね。時代は変わっても、助産師と妊婦と医療との三者のつながりをなんとかしなくちゃいけないと思いつづけている。嘱託(しょくたく)のファミール産院の杉本先生とも「この地域の子どもを増やさなければいけない」と話すのよ。出生数が減る歯止めをかけたい!
お母さんも元気でいてもらわなきゃ。
女性が元気でいることほど活気のある地域はないよね。

〇『命のしくみ』を教えている活動を長年されていますが、どんな想いで活動されていますか?
どの命も平等で、この世の中に意味があって生まれてきたんだよ。だから命を大切にして欲しいと、もっと多くの子ども達に分かってもらいたいという想いでやってきた。
やってきて良かったなと思うし、これからもやり続けたい。

*根岸さんは、『命のしくみ』を年齢対象別にいのちの授業や性教育といい方をかえ、いろいろな学校に呼ばれ講義活動されています。

実際の赤ちゃんと同じ週数の重さがある人形

〇なぜいじめ・自殺する子どもやうつになってしまう母親が多くなってしまったのでしょうか?
子どもの頃に大切にされなかった体験が原因であって、生きている意味を探すのは、思春期の特徴だと思うんだけど、自分は生きてていい存在なんだと感じ、それがあたりまえなんだよ。それが生きている証(あかし)なんだよ~と、『命のしくみ』の話を聞いて分かってくれれば、「な~んだ、死ぬ必要なんかないんだ。別にいじめられていても、自分は生きていていい存在なんだ」と思えば、自ら命を絶つことはないだろうし、ひとつでもいじめがなくなればいいわよね。

〇南房総市の出生数が低下している現状をどう感じますか?
2019年12月の南房総市全体の出生数は2人(月にムラはあるけれど、徐々に減っている)という広報誌を読んで、いずれ子どものいない時代がくると思う。でも、私は次の世代(今の20代の若者)に期待しているのよ。
ここ(ふるさと)が大切だと思っている子は、かならず還元してくれる。
一度子どもは、外に出て吸収してきて欲しいし、外に出ないと分からないことがたくさんある。井の中の蛙(かわず)では地域を担えない。外とつながっている人がとっても重要ね。
「安心してお産ができる環境がありますよ。帰ってこられる場所がありますよ」と伝えたい。
人もつばめといっしょで生まれた場所にもどってくればいいわね。

自宅で家族に見守られながら初産湯の赤ちゃん

〇これからの妊婦さんに伝えたいことは?
体は冷やさないように。
体を動かし、本やネットに頼りすぎないで。
「私(妊婦さん自身)がこれだけやっているのだからここで産めますよね」というぐらい強気な妊婦さん大歓迎よ!

〇まとめ
何気ない会話の中から、助産師のお仕事をとおして根岸さんの南房総という地域への愛情を感じずにはいられませんでした。お話をお伺いして、根岸さんは『地域を包む大きなお母さん』という存在に思えました。
私も南房総に住む一母親として、子ども達がつばめのように生まれた場所にもどってきて欲しいです。
子どもをどこで産み育てようかとお考えの妊婦さん、南房総にはあなたを包みこんでくれる大きなお母さんがいますよ!

〇参考
助産院ねむねむ
千葉県南房総市海老敷422-1
TEL:0470-36-1383
携帯:080‐1243‐6309
HP http://www.e-osan.net
E-mail :nemunemu@e-osan.net

shouji naomi

香川県出身。 只今子育ても半ばにさしかかり、40代からやりたいことを仕事にしたいと一念発起。 プロカメラマンに師事しながら、駆け出しカメラマンとして千葉県南房総市を拠点に“カメラで地域おこし”をテーマに仕事している。人との出会いを大切にし、人との輪をつなげるお仕事ができたらいいなぁと思っています。 ライターとしても、“地域おこし”ができるのではないかと猛勉強中。

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