南房総の素材で手づくりシリーズ【1】どんぐりクッキー
海の幸、山の幸の美味しいモノに恵まれた南房総。それらをローカルはどんな風に生かしていただいているのかお伝えするシリーズを(勝手に!)スタートします!
初回は秋の山の恵み「どんぐり」を使った、大人も子どももびっくり楽しいクッキーの作り方についてです。
食べられるどんぐりって?
どんぐりと一言で言っても、いろんな種類があるのをご存知ですか?分類で言うとブナ科の木の実で、殻斗(かくと)という帽子があるものをどんぐりと言います。それにはクリやトチの実など食用として有名な木の実も含まれます。
南房総で食べられる代表的なものと言えば「マテバシイ」のどんぐり。マテバシイは常緑の照葉樹で、南房総では冬の澄んだ空の下でキラキラと葉を光らせて揺れているのはこの木々というイメージがあります。コナラ・ミズナラといったどんぐりはアクがあって食べづらいですが、マテバシイはアク抜きせずとも(なんと生でも!)食べられる優れた食材です。同じく「スダジイ」の木の実も食べられますが、マテバシイの方がどんぐり自体が大きく、絶対数もこの辺ではマテバシイの方が多いように思います。
TURNでも何度か紹介している大房岬自然公園は、マテバシイの大木が森を構成していて秋には足元いっぱいにどんぐりが見つかる恵みの宝庫。地元の子ども達も拾いに訪れています。私も2歳の息子と一緒に袋いっぱいに拾いました。ではレシピ的にコツをお伝えしていきましょう!
どんぐりクッキーができるまで
①何はともあれどんぐり拾い!
採集可能な場所でどんぐりを拾います。どんぐりは虫食いの穴があるものは避け、できるだけきれいなものを選んでくださいね。
きれいなものを集めるには、どんぐり拾いの時期を見極める必要があります。南房総だと9月後半から10月前半くらい。これをすぎると、日に日にどんぐりが傷んで虫食いが多くなってきます。
②どんぐりを洗う
ボールに水に張って、拾ってきたどんぐりを洗います。すると、いくつかぷかーっと浮かんでくるものがあります。それらは中が虫に食われているので捨ててください。
③どんぐりを炒る
フライパンを熱して、どんぐりを炒ります。焦げ目がついて香ばしい香りがしてくるくらいまで。中にはぱかっと外側の皮が割れるものもあるでしょう。炒ることで皮が外れやすくなります。この辺で子ども達はつまみぐい開始(笑)。
④どんぐりの皮を外す
どんぐりの尖った方を下にして金槌で一つずつ割って、中の実を取り出していきます。どんぐりが熱いうちの方が外れやすいです。根気のいる作業!
※皮の外し方には他にもいろいろな方法があると思います。我が家でも効率の良い方法を思案中。
⑤どんぐりの実をまた炒る
水分を飛ばした堅い状態にするために再度炒ります。オーブンで焼いてもよいです。
⑥どんぐりの実をミルサーにかける
炒った堅いどんぐりをミルサーで粉々にします。金槌などで荒く叩いてからミルサーにかけても効率的です。コーヒーのミルでも挽いてみましたが、それだと少し粒が荒いです。ミルサーを持っていない方は…お近くのお知り合いで持ってる方を見つけて借りてくださいね!笑
⑦どんぐり粉のできあがり!
な、長かった…粉のできあがりです!粉になりきってない1〜2ミリほどの粒も入っていてOK。クッキーにするとゴリゴリ感が少し出てしまいますが、食べるのには問題ないです。
⑧どんぐりクッキーの生地を作る
どんぐり粉30gと小麦粉70g、砂糖(黒糖・てんさい糖など)大さじ2をよく混ぜます。そこに菜種油を大さじ2入れて、手ですりすりと混ぜ合わせます。ここに水を大さじ2入れて、「こねずに」たたむようにひとまとまりにします。(こねるとサクッとした食感が失われるので注意!)まとまりにくければ、少し水を足してください。
⑨生地を広げて型抜きする
生地を綿棒で厚さ3ミリほどにのばして、型抜きします。どんぐりの形を作ったり、リスやクマなどで型抜きしたりすれば子どもも大喜び!
⑩170度のオーブンで18分焼く
焼きあがったら天板の上でそのまま冷まします。それでもしっとりしているようなら様子を見て焼き時間を追加してください。
どんぐりクッキーできあがり!美味しいコーヒーなどと一緒に召し上がれ。
ほんのり甘いながらもどんぐりの味と風味もしっかり楽しめるレシピだと思います。どんぐりは狩猟採集の縄文時代から人間が食べてきたスーパーフード。エネルギーが詰まっているので体が元気になりますが、食べ過ぎるとお腹を壊したりするので適度に取り入れてくださいね!
ぜひご自宅で、お子様とご一緒に、この美味しさと楽しさを味わってみてください。