南房総お勧めの美術館&ギャラリー(1)数多くの万祝(まいわい)を所蔵する「白浜海洋美術館」
南房総には、ここでしか見ることができない作品を展示していたり、日本各地を巡っている有名なアーティストの作品を展示していたりする美術館やギャラリーがあります。房総半島最南端の岬に立つ野島埼灯台から徒歩で立ち寄れる、白浜海洋美術館もその一つ。灯台に訪れたら、ぜひ立ち寄ってほしいスポットです。
野島埼灯台にある厳島神社からの階下にひっそりとたたずむその姿は、隠れ家的な雰囲気です。江戸から大正時代の、海に関わる価値の高いものを100点ほど展示している白浜海洋美術館。中でもお勧めは、色鮮やかな万祝です。
房総半島発祥の大漁半纏(はんてん)、万祝コレクション
ウィキペディアによると、“万祝(まいわい、正字体:萬祝)とは、漁師の晴れ着として作られてきた和服の一種。”であり、“起源は、大漁祝いの引き出物として船主や網元が漁師に配った祝い着であるとされ、長半纏を染め上げたものだった(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%87%E7%A5%9D)”と書かれています。
柳八十一さん、和子さん夫妻が白浜町青木にある海女小屋を訪れたときに万祝と出あい、その美しさに感動。どんどん失われていく万祝を後世に残したいとの思いで収集を始め、1965年に白浜海洋美術館を開館しました。現在は柳和子さんが名誉館長、息子の柳善夫さんが館長として運営しています。
きれいな万祝がタンスから出て来ることはほとんどなく、雑巾のようなボロを集めて仕立て直して展示しているのだと、名誉館長が教えてくれました。私が訪れたとき、特別展「クジラはアートだ!」の開催中(2020年3月22日まで・入館料500円)だったこともあり、白浜町の乙浜(おとはま)で捕鯨が行われていたときに作られた万祝が展示されていました。大正時代に作られたという万祝ですが、色あせることなく波の迫力が描かれています。
今から57~58年前、くじらが捕れると乙浜の港に赤い旗が立ち、それを見た女性たちは作業を手伝いに港へ向かったそうです。夫婦で万祝を集めて復元した名誉館長に会うことができたら、ぜひ当時の話を聞いてみてください。もちろん、館長も丁寧に案内してくれます。
入館無料のギャラリーも併設
美術館の展示も興味深いですが、ギャラリーでの展示も楽しみの一つです。地元アーティストを中心とした絵画や、アクセサリーの展示販売などを行っています。
2020年3月30日までは、飯田真菜美さんのパステル水彩画展を開催中。南房総の美しい景色や、植物、猫を描いた優しいタッチの水彩画が展示されています。気軽に購入できる絵葉書も販売中。
ギャラリーはもともと茶室なので、茶室としての利用も可能だそうです。美術館・ギャラリーともに、最新情報はwebサイトをチェックしてみてください。
インフォメーション
白浜海洋美術館
住所:千葉県南房総市白浜町白浜628-1
電話:0470-38-4551
開館時間:9:00~17:00
休館日:火・水・木曜日(学校の春・夏・冬休みは開館の場合あり)
入館料:高校生以上500円、中小生200円