南房総で唯一!?野島崎で海底透視船に乗ってクルージング体験

南房総といえばなんと言っても海。シュノーケリング、SUP、サーフィン、カヤック…と海の遊びには事欠きませんが、今回ご紹介するのはそんなアウトドア派でなくとも海が体感できる船、海底透視船です。船底の一部がガラスになっているその船に乗れば、船から海中の様子をのぞくことができるんです。グラスボートと呼ばれたりもします。

まさか冬に海の中を見られるとは。20分の非日常体験

海底透視船に乗れるのは、南房総の最南端・白浜町の野島崎灯台。
日本最古の洋式灯台があるとして有名な景勝地として有名な野島崎は、磯場ありお散歩ルートあり芝生エリアありで、子どもと遊ぶのにはうってつけのスポット。この日、私は完全に子どもたちとここで遊ぶ目的で来たのですが、なんだか入り口に面白そうな看板が…。

料金は、なんと大人800円、幼児無料!!
我が家のキッズは二人とも幼児ですが、無料でいいの?!これは乗るしかないですね。ちょうど14時の船が出る直前だったので急いで乗せてもらいました。
甲板では大きなゴールデンレトリバーがお出迎え。どうやらこの子はテレビにも出演した人気の“船長さん”のようで、子どもたちが頭を撫でても気持ちよさそうに受け入れてくれる大きな心の持ち主。

ライフジャケットを着用したら、船は海原へ舵を切ります!天候は曇り。子どもたちはドキドキ。ガラスの窓から海底を覗きこむと、早速カジメの海藻の間を小さなお魚がすっと横切るのが見えました。曇っていても魚影ははっきり見えるものですね〜。「お魚いた〜!」を興奮気味に繰り返す子どもたち。これがお天気だともっと透明に見えるとか。

カジメはこのあたりでは海人/海女さんが獲るサザエの餌になるので貴重な海藻だとスタッフの方が教えてくれました。確かに、海底にずーっと続くカジメの森に、このエリアの海の豊かさが感じられました。

じっと覗き込んでいたら、青い熱帯魚のソラスズメダイを発見!この冬は1月になっても海水温が高いため、まだ死なずに生きているそうです。(通常、ソラスズメダイは南からの温かい黒潮に乗って南房総の海へ渡ってきてここで命を全うする死滅回遊魚です)

そしてなんと、私たちの前の便に乗った子どもがウミガメを見たとのこと!必死でその姿を探しましたが、探すと不思議と出てこないものなんですよね。結局会えませんでした。

途中、「ハート岩」と呼ばれる磯場がハート形に見えるスポットも見られました。私は何より、大海原にぽつんと浮かぶような開放感がとても気持ちよかったです。岸から離れて太平洋の水平線に少し近づいたような感覚。3歳の息子は慣れない船に終始すこし緊張していましたが。

毎日実施。しかし乗れるかどうかは運次第

野島崎の海底透視船を運営する船長・野田さんによると、透視船を始めたのは今から5年くらい前のこと。
それから年中無休でやっているが、ここはやはり波高い外房、海の状況で船を出せないことも多いそう。この年末年始も営業予定でしたが、海が荒れており船が出せたのはたった1日のみだったそうです。実際私の友人もここの船には何度もフラれていてまだ乗ったことがないというから、私と子どもたちがたまたま乗れたこの日はラッキーでした。
船に乗りたい方は、来る前に電話で運行を確認してください、とのこと。
船長曰く「日本で一番安く乗れる(海底透視)船」。館山では夕日桟橋から出ている船が有名ですが、ここ南房総にも外房の海の豊かさに出会える素晴らしい船がありました。ぜひ訪れてみてください!

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野島崎海底透視船
南房総市白浜町白浜6726-1
0470-29-7755
<乗船料金>※2021年1月現在
大人800円 小人400円 幼児・ペット 無料
・乗船時間20分
・運行時間9:30~15:30(30分おきに運行)
※潮の具合によっては海の中が見えない場合があります。
※定員は40名ですが、それだと海底をのぞききれないので大体24名で実施しているとのこと。

南 芙蓉

秋田県出身。 生粋の房州人である夫と結婚し、2014年から南房総市民に。自然学校でずっと働いてきましたが、現在は二人の育児に没頭中。子どもとママを対象にした自主保育を立ち上げ、仲間と一緒に自然を楽しむ活動をしたり、 家族で海へ山へキャンプへと出かけたり、毎日が夏休みみたいな(笑)南房総ライフを送っています。 そんな中、たくさんの人に、特に都市部に住む人に、体験してほしい南房総の自然がある、と強く意識するようになりました。私も大学で上京した際、都市の楽しさと同時にストレスを痛感した人の一人。南房総があなたのオアシスになれば嬉しいです。

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