廃校に新たな息吹を! 医療・介護・病児保育・生活のワンストップ事業「七浦プロジェクト」
こんにちは、南房総市和田町在住のあわみなこです。
2014年3月に東京都調布市から移住してきました。
七浦診療所は町のキーステーション
田舎暮らしに憧れている方、地方移住を検討している方の中には医療の体制が不安で踏み切れない…という方も多いのではないでしょうか。
南房総にはそんな不安を払拭してくれる場所があります。 それは、廃校になった七浦小学校の跡地。
2014年に立ち上がった「七浦プロジェクト」によって七浦診療所を中心に、介護サービス、病児保育、さらには生活用品が入手できる売店…というワンストップ事業が展開されています。
「花と海と太陽の町」と呼ばれる千倉町の海から400mほど離れた丘陵のふもと。
元は校庭だった広々とした駐車場の向こうにオレンジ色の屋根が広がります。
敷地内には診療所の他、薬局、病児保育「そらまめ」、ななうら居宅介護支援事業所、図書室(※1)もあります。
そして七浦横丁。生活用品、惣菜も売っており、イートインスペースは木製のテーブルで食事をとることもできて楽しげ。
建屋も校舎の名残が残っており、全体的に無機質でなく暖かみのあるムードが漂い、病院が苦手な私、あわみなこも抵抗なく通えそうです。
診療所の待合室も広くてきれいです。大きな薪ストーブもあって冬場は気持ちも穏やかに。かわいらしくしつらえたキッズスペースもあります。
現在、通所型・滞在型の介護サービス施設を準備中で、オープンすればワンストップ事業として完成します。
近くにこうしたキーステーションがあれば、家族にお子さんや年配の方がいらっしゃる方も安心して暮らせますね。
ドクター、田中かつら先生も移住者だった!
プロジェクトを率いる医師、田中かつら先生は東京生まれの東京育ち。
いくつかの大きな病院に勤務し、地方住まいを経験しました。
もともと田舎で仕事がしたいという希望がありましたが、南房総にやってきたのは幾重もの偶然が重なった結果で、まさにご縁。
勤務医になるつもりが、引退する千倉の個人医院の医師から引き継ぐような形で開業しました。それが2008年のこと。わずか6年後には七浦プロジェクトを発足させ、今日に至ります。
「リハビリ施設に通うのが大変」
「自分で通える介護施設があればいいのに」
「近所に店がなくなったのでバスに乗って買い物に行っている」
「子どもが病気になったら仕事を休まなければならない」
…こうした地元の方たちの声を聞いて「あったらいいな」を実現させた田中先生。
南房総という土地についての思いを聞いてみました。
―― 南房総、とくに千倉町で生活する魅力はどんなところにありますか。
「私の父親は和歌山県出身なんですね。千倉は海や山が美しくて、子どものころ遊びに行った父の田舎に似た雰囲気があります。
それに千倉の人たちは社交的で明るく、関わると楽しいです。私も交流したくて、移住当初からお祭りに参加したり、エビ網漁を手伝ったりしているんですよ!」
―― 田舎暮らしを楽しんでいらっしゃいますね?!
「畑をやったり、漬物をつけたり、味噌の手作りもしてますよ。今、イノシシの肉で手製のハムを熟成中です」
…インタビューが終わってポロリとひとこと。
「自分より年上の方々は全員看取る覚悟(笑)。この地で暮らすことが幸せ、と思える人が増えるといいな、と思います」
こうおっしゃった笑顔の田中先生はとても素敵でした。
移住を検討中の方はぜひ一度、この千倉のキーステーションに立ち寄り、ななうら横丁に足を運んでみてくださいね。
(※1)図書室は、2021年1月現在新型コロナウィルス対策のため、一般の方の入室はご遠慮いただくことがありますので事前にご相談ください