「『外』からの視点で南房総を盛り上げる」観光担当・坂本辰哉さん【南房総市地域おこし協力隊インタビュー】

観光担当地域おこし協力隊員として2021年の2月に着任した坂本さんは、今年で57歳。歳を重ねたからこその豊かな知見で南房総生活を楽しみながら活躍する坂本さんにお話をうかがいました。

ホテル業界を早期退職して地域おこし協力隊へ

坂本さんは、全国展開するホテルの立ち上げや企画営業などに30年以上携わってきました。サラリーマンから南房総での地域おこし協力隊員になったきっかけはなんだったのでしょうか?
「市川市にある自宅から都内へ毎日通って仕事をしていたのですが、歳をとっていくうちに、ずっとこのまま都会で働くことに疑問を持ちはじめ、早期退職を考えたのがきっかけです。
南房総市観光協会に知り合いがいて、以前から南房総に誘われていたこともあり、56歳で務めていた会社を早期退職し、地域おこし協力隊員として南房総へやってきました。
元々、子どもの頃に父親に連れられて南房総の岩井地区に遊びに来ていて、南房総がいいところだとずっと思っていたことも大きかったですね」。

経験を活かして南房総の関係・交流人口増を

「南房総は『外』からの視点で見るととてもポテンシャルが高いんですが、地元で生まれ育った人には当たり前すぎて、そのポテンシャルに気が付いていないんです」と坂本さんは話します。
「都内から近く、海も山もあり自然がとても身近で昔ながらの文化もある、ということをまずは南房総に来て知ってもらうのが大切だと考えています。自分が経験していたので分かりますが、都内の満員電車から解放されるだけでも気持ちはかなり違います。南房総に来て、この解放感を知ってもらいたいですね。」
「また、観光協会として日帰りや1泊の学校が行う教育旅行の誘致に力を入れています。今注目のSDGsの学習にもなりますし、子どもの頃にした楽しい経験というのはいつまでも心に残り、ふとした時に思い出します。そんな風に南房総の記憶を子どもたちに残せればいいのではないかと。そして将来的に南房総の関係人口が増えればと思います」。

二拠点生活でメリハリを

現在、岩井地区に住む坂本さんは、週末は千葉県市川市の自宅に戻る二拠点生活をしています。
「市川には家族がいるので、基本的には週末は市川の自宅へ帰ります。家族がこちらに来ることもたまにあります。特に小学生の孫は南房総が気に入っているので、遊びに来ることも多いですね。」
「平日の夜は、趣味の釣りに行くこともありますよ。すぐに海に行けるので嬉しいですね。ベランダでビールを飲みながら星をながめたりもします。ひとり暮らしはこの歳で初めての経験で大変さはありますが、週末は自宅へ戻るので、メリハリがあっていいなと感じています」。
「お気に入りの場所は、岩井の高崎港。ここから富士山を眺めるのが好きなんです。いずれは家族もこちらに呼んで住めればと思っています」。

 

地域おこし協力隊の仕事を「南房総の関係・交流人口を増やすという今の仕事は、自分の経験も活かせていると思いますし、訪れた人の笑顔を見ることで自分も笑顔になれるやりがいのある仕事」だと話してくれた坂本さん。
これからも『外』の視点で南房総を盛り上げてくれそうです。

フジイ ミツコ

山口県出身。 フォトライター。 南房総の海辺に夫婦で移住し10年ほど。 ふたりの子どもに恵まれ、その子どもたちがつなげて広げてくれるご縁を大切に、彩り豊かな南房総ライフを楽しんでいます。 南房総の素晴らしいロケーションを活かしたフォトグラファーとしても活動中。

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