南房総里山暮らし~春~
私は現在、南房総に移住して山に囲まれた里山エリアに暮らしています。フキノトウが顔を出して春を感じる季節の景色と、田植えに向けて田んぼの準備作業を行う様子をお伝えします。
野草と桜と水仙と
寒い冬、フキノトウが採れたという声が周囲から聞こえはじめると、もうそんな時期かと春の訪れが近いことを感じます。フキノトウ、ノビル、カラスノエンドウ、ヨモギなどを採ってよく天ぷらをするのもこの時期。
南房総エリアには、2月ごろに咲く早咲きの桜が植わっている場所がいくつかあります。そのときの気温や立地によっては、ピンクの桜に白い水仙、そして黄色の菜の花を同時に見られることも。これらの花が生き生きと咲きはじめて、メジロたちが花の蜜を吸いにくるのを見かけると、「あぁ、春だなぁ」と思うのです。
畑も田んぼもあれもこれも
春を感じると、庭に何の種をまこうか、何を植えようかと妄想を膨らませてわくわくします。毎年育てているもの以外に何か良い植物はないかと調べたり、仲間にたずねてみたり。直売所やホームセンターに行くと種や苗が売られているので、それらを見ながら「そうか、そろそろこの種をまかなきゃな。この苗を買ってみよう」といろいろ試してみるのが楽しくもあり、忙しくもあります。
周囲の田んぼは4月中頃から田植えを始める場所もあるので、田植えへ向けて田んぼを耕してせっせと準備をスタート。私の田んぼは6月頃に田植えを行うので他の田んぼよりもスタートが遅いのですが、耕運機などの機械はないので手作業で畔を切って準備をします。田植えから逆算して、去年収穫したもみ付きの米をお湯で消毒してから水に浸して芽出し。ハト胸になって小さな芽がちょこっと出たら、種まきをして、田んぼの準備と平行して苗を育てていきます。
寒い冬の間色味を失くしていた山の木々たちが、三寒四温を繰り返しながら徐々に新緑へと移り変わりはじめると、まさに「山が笑う」春到来。そんな季節の巡りを身近に感じられる里山暮らしは、日々新しい何かの発見があって楽しいのです。
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