お産のカタチを大切にしてくれる『助産院ねむねむ』① 【自分でお産の形を選ぼう!】

『助産院ねむねむ』はアットホームな一軒家

近年では病院で産むのがあたりまえですが、自分のお産ぐらい自分で決めたいですよね。そんな“お産のカタチを大切にしてくれる”ところが『助産院ねむねむ』です。
安房地域で唯一自宅出産を後押ししてくれる助産院です。助産師の根岸雄子(ねぎしゆうこ)さんが旧三芳村に構えました。(以下;ゆうこさん)
いまや100人の赤ちゃんを取り上げた、地域のお産の心強い味方です。“出産は自宅でも良し。助産院でも良し” という助産院のスタイルなので、どちらでも選べます。
私の自宅出産経験をふまえ、『助産院ねむねむ』での自宅出産と助産院出産の二通りをご紹介します。

〈自宅出産の場合〉

三男坊の自宅出産時

〇私の自宅出産はこうでした
私は、やんちゃな男子三児の母です。次男と三男は、ゆうこさんに取り上げてもらいました。ここでは三男を自宅出産した体験をお話したいと思います。
梅雨の真っただ中、出産予定日をちょっとすぎた頃、朝方陣痛がつづきそろそろかな~と思い、夫に「ゆうこさんを呼んで!」とお願いして、ここで産むと決めた場所(自宅の和室)でその時を激しく長い陣痛とともに待っていました。
上の子二人の身支度などは、夫やお母さんにすべてまかせ、私は出産に集中。長い陣痛の時間をもてあます上の子たちは、二階の子ども部屋でドタバタ。
あまりの痛さにもうダメだと何回か叫んでいたのを「口をつむぎなさい。その力をいきむ時につかうのよ」と、もう一人の助産師さんの言葉にハッとし、ようやく覚悟が決まったのを覚えています。
そんな中「赤ちゃんの頭でてきたよ~」という夫の言葉に、上の子たちが下におりてきた。長男は凝視し、次男はおそるおそる目をおおった手の隙間から出産のすべてを見ていましたね。
最後のしめくくりは、長男がへその緒をきってくれ、三男は無事家族の一員になりました。今振り返ると、家族が誰一人欠けることなく、三人目を出産できたことはかけがえのない体験でした。

〇自宅で産んでとっても良かった点
・地域に信頼できて、すぐ駆けつけてくれる助産師さんがいる。
・なんといっても助産師根岸裕子さんのGod Handsです。
(最後のいきみの痛い時、適切に痛い場所を押さえてくれるので、痛みが緩和します)
・分娩台に座らなくて良い。
・自宅で自分のスタイルでお産ができる。
・遠くの病院に車を飛ばして行かなくていい。いつもの場所で赤ちゃんを待つだけで良い。
・いつもの助産師さんがお産のお手伝いをしてくれ、助産師さんが変わるということはない。(病院では、担当制なので検診の際毎回医師が違う場合があり、出産時と妊婦健診の先生が違うことがよくあるようです)
・分娩時は助産師2名がサポートしてくれました。
・家族が見守る中出産でき、みんながその場で赤ちゃんに出会えた。
・お兄ちゃんたちに“赤ちゃんはこういう風に生まれるんだよ”と、実際に見せることができたことは大きい。いまだに子ども達の中に出産シーンの記憶が刻まれています。

〈助産院出産の場合〉

薪ストーブのある待合室

『助産院ねむねむ』には、リラックスできる畳の部屋が一部屋あり、そこで出産できます。家族入院もできます!お母さんがいなくて寂しい思いをしなくて済むのです。待合室には薪ストーブがあり、兄弟姉妹が遊べる小さなスペースもあり、とってもアットホームな感じです。ためになる育児の本や絵本の貸し出しもしていますよ~。

入院中のお食事は、無農薬・無化学肥料のお米と野菜の料理が提供されます。作っているのは裕子さんのご主人。「有機農園ねぎぼうず」としてこだわりの野菜を育てています。採れたての旬の野菜を使ったほっこり料理で、産後の回復も早まりますよ。

産後は和室でゆったり回復

〈助産院での出産を選ぶ前に、ここだけは注意!〉

妊婦さんは病院で出産するよりも自己管理と努力が必要なのです。助産師さんは、その名の通り“出産を助けてくれる人”であり、妊婦さんは“自分で産む”という自覚が必要です。

また残念なのは、希望するすべての方が助産院で産めるというわけではないのです。以下の状態が必要とされます。
・助産院での出産は、正常な妊婦経過をたどり、自然分娩が可能と予測される方のみが対象としています。
・順調なお産を迎えられるよう病院の医師にポイント健診する事がお約束です。
・自宅出産希望の場合は、家族の理解やサポートを得られるなど環境を整えられる方。

まとめ

私は、自宅出産を選んだことで助産師根岸雄子さんに出会え、今も交流が続いています。人生に幾度もない大切なお産、それを妊婦さん自身で選んでいって欲しいと思います。

“命の数だけお産のカタチがある”と助産師根岸雄子さんが言ってくれています。
妊婦さん自身の心の声に耳を傾けて、自分にあったお産のスタイルを想像し、納得したお産をぜひしてもらいたいです。

次回は、『助産院ねむねむ』の助産師根岸雄子さんに“お産を通して伝えたいコト”のお話をうかがいます。

 

・助産院ねむねむ
千葉県南房総市海老敷422-1
TEL:0470-36-1383
携帯:080-1243-6309
HP : http://www.e-osan.net
E-mail: nemunemu@e-osan.net

・有機農園 ねぎぼうず
場所同じ
HP http://negibouzu.org

shouji naomi

香川県出身。 只今子育ても半ばにさしかかり、40代からやりたいことを仕事にしたいと一念発起。 プロカメラマンに師事しながら、駆け出しカメラマンとして千葉県南房総市を拠点に“カメラで地域おこし”をテーマに仕事している。人との出会いを大切にし、人との輪をつなげるお仕事ができたらいいなぁと思っています。 ライターとしても、“地域おこし”ができるのではないかと猛勉強中。

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