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なつかしい味を求めて!
国分の甘太郎(館山市)

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「以前食べたことがあるなつかしいあの味」だれでも記憶の底にある、思い出の食べ物があるのではないでしょうか。
移住後、子供のころ食べたなつかしい味に出会える機会があります。
先日は「ところてん」を食べて感動しました。(紹介記事はこちら
今回も久しぶりに再会したなつかしい味「国分の甘太郎(こくぶのあまたろう)種松(たねまつ)商店」をご紹介しましょう。

遠い記憶をたどって…

館山市街から国道128号線を鴨川方面へ車を走らせると、安房地域医療センターの手前、大きくカーブした道沿いにお店があります。
あずき色の暖簾(のれん)が掛かっていたら営業中の合図です。

暖簾には「甘太郎」の文字。 「何のお店?」 パッと見、何のお店なのかわかりません。
急カーブの道なので車を運転中に確認することが容易ではないのです。
「もしかして・・・」 子供のころの記憶がよみがえります。
中学校の帰り道、小さなお店でおばちゃんが作っていた、あれ!
「甘太郎焼き」と呼んでいた… 小麦粉の生地を丸い型に流し、あんこをおいて焼いたもの。 少ないお小遣いから1個だけ買って、熱々を食べるのが楽しみだった…きっとそれに違いない。

まだ確信が持ててない私でしたがどうしても気になり、確かめずにはいられなくなってしまったのです。

真相はいかに… お店に突撃です。

どこか風情を感じる店舗。ガラス窓から見えるのはなつかしい風景。丸い焼き型に向かっておじさんが焼いている姿です。
暖簾をくぐると甘い匂いが体いっぱいに感じられます。

やはりあの時の「甘太郎焼き」と同じでした。
メニューは黒と白のあんが入った甘太郎2種類のみ。1個120円(2018年10月現在)
早速注文。手際よく包装紙に包んでくれます。
しかし、どうしても焼きたてを食べたくなった私は「店内で食べさせていただきたい」とお願いをしました。店主の松田さんは快く応じてくださり、お茶もいただきました。

生地はもっちり柔らかく、あんこは粒あん。ちょっと甘めですが生地との相性がバッチリです。 実は私、あんこはこしあん派。粒あんはあずきの皮が口の中に残るのが苦手なのです。
でもこちらの粒あんは口の中に残らない。感動!

店主の松田さん、以前は最中(もなか)の皮を作る職人さんでした。
甘太郎のお店も54年間営業している根っからの職人気質なお方です。
もちろん、生地もあんこも手作り。夜中の2時ごろからあずきを煮て、さらにあんこを炊き、3時間以上の時間をついやして作りあげます。


使用する豆へのこだわり、おしみない手間と時間、地元愛を持って長年営業し続ける気持ちがおいしい商品を生み出すのでしょう。そんな心意気を会話の中で感じることができました。

あなたはなんて呼ぶ?

「金属製の焼き型に小麦粉を主体とした生地と餡(あん)を入れて焼いた和菓子」

何と呼んでいますか?一度は食べたことがあるでしょう。

私は、子供のころは「甘太郎焼き」大人になってからは「今川焼き」と呼んでいましたが
「自分は違う!」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

なんと、同じ形でも地域によって呼び名が違うらしいのです。
私は今までに色々な地域で生活をした経験がありますが、まさにこのとおり!住む場所がかわると呼び名が違いました。
「今川焼き」「大判焼き」「おやき」「じまんやき」「甘太郎焼き」など、販売店名を使用したり、形から名付けられたりと由来は色々。地域やお店によって異なるたくさんの別称が存在するようです。

同じ物なのにおもしろいですね。こんなにたくさん名前が存在する食べ物は他にあるでしょうか。それだけ昔から人々に愛されてきた証なのでしょう。

まとめ

似ている「たい焼き」の方が身近に感じる人もいるかもしれません。
でも一度はあなたも食べたことがあるなつかしい味ではないでしょうか。
「なんて呼んでた?」と、焼きたて熱々を食べながらみんなでワイワイ思い出話をするのも楽しいですよね。

なかなか販売しているお店に出会うことが少なくなりました。
昔からのなつかしい味をいつまでも作り続けてほしいと願うばかりです。

国分の甘太郎 種松商店
9:00~17:00
不定休 夏の間は休業
0470-23-0356
千葉県館山市国分64

※駐車場はありません。
※電話でのご予約をお勧めします。

 この記事を書いたのは…

原みりか
原みりか
茨城県出身。
「いつか、海が見える場所で暮らしたい!」ついにその夢が実現。2017年2月南房総鴨川市に移住しました。毎日、大きな青い海に癒やされています。
年に数回は訪れるほど南房総大好きな私が、移住の決め手となったキーワードは「食、花、温泉、海、自然」
自分の体験とともに、南房総の魅力を発信できたらと思います。

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