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南房総パン屋めぐり【3】そろそろ(鴨川市)後編スイーツ&カフェ

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「南房総にも美味しいパン屋はあるのかな?」

都市から移住してきたパン好きの私のそんな疑問と好奇心からはじめた、南房総パン屋めぐり。【1】【2】につづき、オススメの美味しいパン屋をご紹介します。
今回は、薪(まき)火の石窯で焼いた独特の香ばしさが、一度食べると忘れられないパンを作っている、鴨川市東にある「石窯パン工房そろそろ(以下:そろそろ)」です。

前編では、石窯とパンについてご紹介しましたが、後編では、店主の経歴や石窯で焼いたスイーツとカフェについてお話します。
前編にご紹介しきれなかった、とっておきの○○○○をご紹介します。

基地のレストランコックがパン屋になった

「そろそろ」の店主である佐藤 尚さんは、これまで神奈川県相模原市にある米軍基地や、外国のレストランでコックを務めてきました。若い頃からアクティブで、サーフィンや釣りをしに鴨川に来ていたそうです。「遊びたいから、(仕事もするし)時間をつくる」というポリシーのもと、60代になった現在でもサーフィンを続けています。

佐藤さんは鴨川市が主催している農業研修『いきいき帰農者セミナー』に3年通ったのち、鴨川に移住してきました。農業研修で学んだ野菜づくりと地域の人とのつながりを活かして、自家農園で採れた野菜を使った石窯パン工房「そろそろ」を2017年9月にオープンしました。現在ではこの農業研修に先輩移住者として参加することもあるそうです。

「そろそろ」という店名は、現在は住所表記から消えてしまった「曽呂(そろ)」という地区名から由来します。昔は「僧侶」と呼ばれ、文字通り僧侶(お坊さん)がこの地区にたくさんいたそうです。けれど人が居なくなり、漢字の人偏(イ)が取れて「曽呂」になったそうです。
それを聞いた佐藤さんは「曽呂地区でのんびりそろそろやろう」との思いで「そろそろ」と名付けました。

初めてお会いしたときの佐藤さんの印象は、「少し頑固そうな職人さんかなぁ」と感じたのですが、話すうちにそれが大きな間違いだと気づきました。実際はとても話上手で面白い人。この店に情報交換をしに来る常連のお客さんもいるそうです。「ここにいると、いろんな人が来て飽きないよ」と佐藤さんは楽しそうに笑顔で話します。

一度食べたら最後、中毒に…

「そろそろ」はパンがメインではありますが、同じ石窯で焼いたお菓子やプリンも逸品ぞろいです。

なかでも店主の佐藤さんが「うちで一番数が売れているのはコレ!」という「ブラウニー」200円。見た目はごく普通のブラウニーです。
ところがひと口食べると、「甘い!!!」ドッシーン!と甘さが頭に響くよう…。表面はサクッと軽い食感ながら生地全体はしっとりぎゅっと密度がつまっていて、濃厚なクリームのようです。
ひと口食べて甘さに衝撃を受けたにも関わらず、手が伸びます…もうひと口。だんだん甘さの感覚が麻痺(まひ)したのか、チョコレートやココアの苦みが味わえるように。いつの間にか1個食べ切ってしまいました。

今どき日本で作られているもので、これだけ甘いブラウニーは、他に思い浮かびません。これまで10,000個以上のスイーツを食べてきた、スイーツプランナーでもある私でも、衝撃の味でした。
一度食べたら最後、中毒になってしまいそうです。きっとまた「そろそろ」に行ったらブラウニーに手が伸びていることでしょう。

石窯で焙煎したコーヒーは驚きの味

パンが並ぶカウンターの横に、コーヒーマシンが設置されていて、「石窯焙煎コーヒー 300円」と記載されています。一見すると『“機械が淹れるコーヒー”でしょう?』と素通りしてしまいがち。けれど、コーヒー好きの人にこそ、この味を試してみて欲しい!きっと「なにこれ⁉」と驚くでしょう。
「そろそろ」の「石窯焙煎コーヒー」は、君津市のコーヒー店と情報交換しながら、店主自らが造った石窯で焙煎したコーヒー豆を使用しています。
飲んでみると、苦みや酸味もあるけれど、とてもマイルド。香りや深みはあるのに、口当たりが軽い。アメリカンコーヒーのように薄めというものでもありません。
マシンの淹れるコーヒーでは、ときどき飲んだとたんに苦みがドンっときて、のどから胃にかけて負担に感じることもあるけれど、これは全くない。
パン屋のコーヒーだからこそ、コーヒーが主張しすぎない方が、石窯パンのもつ風味や味わいがより感じられる、“いいバランス”なんだと気づきます。

カフェ営業日だけ食べられるカフェメニューには、「石窯プリン」350円があります。近くの和棉(わめん)農園の自然有精卵を使ったシンプルなカスタードプリン。
材料はこの卵の他に、地元の牛乳やハチミツなどを使って作られますが、いずれもよい素材です。佐藤さんいわく「こだわっていないんだけど、地元の素材を探していたら、みんないいものを作っていて、自然といい素材が揃ってしまった」と。地元の生産者とのご縁からできた、“いつのまにかこだわり素材のプリン”なんです。
オーソドックスなカスタードプリンの食感ながら、コクのある卵の風味と自然な甘み、サラッとした苦さのカラメルソースがシンプルに美味しい。
パンの販売がないカフェ営業日でも、これを目当てに「そろそろ」へ行くのもアリでしょう。

まとめ

カフェ営業日以外も、カフェスペースでパンとコーヒーをセルフサービスでイートイン可能です。
さらに2019年春に、バイカーやサイクリストをターゲットに、モーニングを始める予定があります。今回ご紹介したコーヒーやパンとちょっとした料理のメニューになりそうです。

いずれカフェスペースでは、佐藤さんのコック仲間や趣味の友達を呼んで、レストランやギャラリーも構想中だそうです。
オープンしてから進化し続ける「そろそろ」に今後も期待しましょう。
(注:価格を含め情報はすべて、2018年10月~12月取材時のものです)

2019年夏より、鴨川『みんなみの里』にて一部のパンを卸して販売しています。(2019年10月追記)

石窯パン工房そろそろ
営業時間:11:30~16:00(売切れ次第終了)
パン/金曜日
ピザ+カフェ/土・日曜日(土・日曜日はパンの販売なし)
定休日:月~木曜日
TEL:090-3699-8531
所在地:千葉県鴨川市東222
公式サイト:http://sorosoro222.strikingly.com/
Facebook:https://www.facebook.com/sorosoro222/
駐車場:店近くに10台分あり
サイクルラック:あり(設置されました)

【南房総パン屋めぐり】

南房総パン屋めぐり【1】クリケット(鴨川市)

南房総パン屋めぐり【2】橋本屋製パン店(館山市)

南房総パン屋めぐり【3】石窯パン工房そろそろ(鴨川市)前編パン

 この記事を書いたのは…

choco-love
choco-love
東京都中野区出身。
2016年春に夫のサーフィン好きから出産と同時に、神奈川県川崎市から南房総市に移住。初めての子育てと慣れない田舎暮らしに、1年以上悩みました。
長年してきたスイーツの企画の仕事もしづらくなり、知り合いも少なく孤独を感じることもあったときに、試しに参加してみた南房総市主催「新しい働き方講座」で、WEBライターについて学ぶ。講座で互いに学び合い、支え合う仲間と出会えたことで、ここでの生活が楽しくなってきました。

仲間から教えてもらった南房総の魅力を知る一方で、地域課題について関心が高まりました。南房総に移住してきて、都会との感覚の違いや、情報の少なさ・古さに気づき、自分たちが感じた不便さを少しでも解消できたら、きっと誰かに喜んでもらえる…。そんな思いで、『南房総ex-press』をつくりました。

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