自然のヒーリングスポットin南房総【3】安馬谷の里山
南房総のヒーリングスポットシリーズ、最後は「里山」です。今回は南房総が誇る美しい里山、「安馬谷(あんばや)の里山」をご紹介いたします。
里山って?今こそ注目される、生物多様性を育む里山の価値
そもそも里山とはどんなところを言うのでしょうか?里山とは人間の暮らしに密着した、人の手が入ることで守られる自然環境のことです。たとえば、木材を得るために木を切ると、そのスペースに日光が入り新しい植物が育つことができます。人が作り出す田んぼの環境はカエルや水生昆虫たちの居場所となり、その獲物を狙って鳥や動物が集まる生態系を生み出します。里山とはこのように、人間の手で適度に環境が更新され、生物の多様性が豊かなフィールドのことを言います。
いま、都市型のライフスタイルが主流になり、里山の環境は激減しています。しかしこの里山には、古くから人と自然が共生してきた知恵が詰まっており、日本における持続可能な暮らしのヒントがあるとして注目されています。
安馬谷の里山は生き物の宝庫!
南房総市の丸山地区(旧丸山町)の海寄りに安馬谷の里山はあります。ここは縄文時代のものと思われる黒曜石のヤジリが見つかるなど、古くから人が住んでいたエリアのようです。海と山の幸が豊かであっただろう安馬谷の山は、現在では地元有志の「安馬谷里山研究会」によって整備され、四季を通じて里山の穏やかな自然を楽しめるスポットとなっています。
驚くべきはその生物の多様性と、場(生態系)の多様性。春には小川にカエルやサンショウウオの卵が見つかり、夏にはたくさんのトンボが飛び回り、里山近辺の田んぼではホタルが乱舞します。秋にはコナラやシイ類がどんぐりを落とし、冬には赤いガマズミの実などの食料を求めて冬鳥がやってきます。
温暖で常緑広葉樹の森が多い南房総で、ここまで種の多様性あるフィールドは珍しいと思います。それを守っているのは、安馬谷里山研究会の皆さんの地道な保全活動があってこそのこと。10年以上にわたり、年二回の下刈りや掃除と苗木の手入れの作業のほか、ウッドチップを園路に敷いたり自然観察ガイドをしたりと、里山を守り育てる活動を続けていらっしゃいます。安馬谷の里山は「南房総森林セラピーロード」にもなっています。
引用:南房総市観光協会
まずは中心部の広場まで里山ピクニックがおすすめ!お弁当持ってのんびりと
展望台もありいろいろなコースで楽しめる安馬谷の里山ですが、まずは大池周りの平坦な道で広場まで行くお散歩コースをおすすめします。大池に来る水鳥の姿や、木々のトンネル、道端の野の花などを楽しみながら、大人の足で10分、お子さんと一緒にのんびり歩いても30分ほどで広場まで行けます。広場には大きなクワの木があり、その下でお弁当を広げてのんびり里山ピクニックができます。広場には簡易トイレもあります。
安馬谷の里山は「四季の花咲く里山づくり」とのことで、自然環境に合った植栽もされています。春には数種類のサクラ、初夏(6月上旬)には中央の広場付近の湿地に1000株ものハナショウブが色とりどりに咲いて目を楽しませてくれます。
<癒しのワーク>
美しい!と感じた自然をより深く感じられるワーク。
なんとなく通り過ぎるのでなく、じーっとその美しいと感じた自然(花や木、小さな生き物、あるいは風景など)を観察してみましょう。
自分がなぜ美しいと感じたのか、その自然に向き合うときどんな気持ちになるのか、深呼吸しながらご自分の内側を観察してみてください。意識を向けることで、その美しさは増幅します。じっくり味わって、自然に元気をもらってみてくださいね!
また、その美しさを“表現”してみるのもいいですね。絵や詩、歌などが組み合わさればさらに素敵な里山の思い出ができそうです。
南房総の自然に癒される…ぜひあなただけのヒーリングスポットを!
滝、海、里山と三本立てでお届けした「南房総のヒーリングスポット」、いかがでしたか?
ポイントは「豊かな自然」と「深呼吸」。それがそろえばどこでもヒーリングスポットになり得るのではと思います。その中でも強力なあなただけのスポット、ぜひ探しに自然へ出かけてみてくださいね!