「日本三大うちわ」のひとつ「房州うちわ」。千葉県を代表する伝統的工芸品として南房総地域で受け継がれてきました。
2024年2月、千倉にある「白間津花のパーキング」内に店舗を兼ねた房州うちわの工房がオープンし、訪れる方々にやさしい風を届けています。
オープンした「うちわ工房 よこ」のうちわ職人、横坂哲也さんにお話を伺いました。
2023年から「うちわ職人」として活動をスタート
横坂さんは2021年に「房州うちわ振興協議会」の入門講座を受講しました。講座は山に入って竹を採るところから始め、うちわを仕上げるまでを学びます。講座を修了した後も、先輩職人に教わりながらうちわ作りを学び続けた横坂さんは、2023年1月にうちわ職人の認定を受け、イベント出店などの活動をスタートさせます。
その後、横坂さんの自宅からも近い「道の駅 白間津花のパーキング」内の店舗スペースを借り、うちわ工房をひらくことになりました。
工房がある「道の駅 白間津花のパーキング」は南房総市千倉町の国道410号沿いにあり、駐車やトイレ休憩に使用できる場所です。目の前には「白間津お花畑」が広がり、1月から3月頃まで花摘みを楽しむ人で賑わいます。
「花畑の季節以外にも千倉に来てほしい」と、横坂さんは工房前に房州うちわののぼりを立て、うちわ制作に取り組んでいます。
房州うちわの風をぜひ体感して
工房でうちわを見ていると、お客さんが入ってきました。 壁には房州うちわの他に、日本三大うちわの「丸亀うちわ」と「京うちわ」、そして市販のプラスチック製うちわも見本として展示されています。
「それぞれの違いを、ぜひ扇いで感じてみてください」と横坂さんが伝えます。お客さんがひとつひとつ試していき、「風の強さや広がり方が全然違う! 房州うちわって、こんなにやさしくてふんわりとした風なんですね!」と驚きの声があがりました。
房州うちわは、南房総地域の良質な竹の丸みを活かした「丸柄」、そして半円で美しい格子模様の「窓」が特徴です。 現在は実用品としての用途に加え、屋内の飾りやおみやげとしても親しまれています。
こちらの工房では、「大満月」(3500円)と呼ばれる大きなサイズから「中満月」、そしてクリアファイルに収まる「えーよん(A4)」、ミニサイズの「小町」があり、色鮮やかなうちわが壁一面に並んでいます。
房州うちわは、仕上がりまで21もの工程があるため、一日にできる本数は限られているとのこと。 工房では制作の様子も見ることができるので、職人の繊細な技もぜひ感じてほしいなと思いました。
うちわ作り体験にも力をいれて
横坂さんはうちわ作りのワークショップも出張で行っています。
職人の作った美しい房州うちわを選ぶ楽しみはもちろん、実際に自分で和紙を選び「貼り」の工程を体験するといった、ワークショップならではの味わい方もありますね。
観光の思い出になったり、異文化交流につながったりと、うちわの魅力とワークショップの可能性を感じました。
「うちわ作り体験を工房でもできるように、隣の店舗スペースを更に借りる予定です」と張りきる横坂さん。
「江戸時代から続く伝統の竹のうちわを、ぜひ触って楽しんでみてください」と話してくれました。
まとめ
千葉県の伝統的工芸品、房州うちわの竹や和紙のぬくもりと、職人の技を感じてみませんか。
潮風と共に、うちわのやさしい風があなたを迎えてくれますよ。
千倉町の最南端に位置する白間津地区は、太平洋を眺めながら里山散策するのもおすすめです。
「白間津お花畑」について知りたい方は、ぜひこちらの記事もご覧ください。
うちわ工房 よこ
【営業時間】9:00~14:30(土曜日は16:00まで)
【定休日】水・木
【所在地】〒295-0027
千葉県南房総市千倉町白間津1397 白間津花のパーキング内店舗
*イベント出店などで臨時休みになる場合があります。詳しくはホームページやInstagramをご確認ください。
https://uchiwa-yoko.jp/
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この記事を書いたのは…
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